ボブ・ディランのライヴに行ってきた。こんな重要な報告を忘れていた。事件現場は3/21のZepp Tokyoだ。神を前に正座で臨もうと軽量ニーパッドを仕込んでいったのだが、残念ながらオール・スタンディングだった。そして、もっと言えばオール・スタンディング・スリーピングだった。オール・スタンディング・スリーピング・ライヴ・イン・トウキョウ・シティ。コニチワ・トーキョー!
 1曲目、何の曲か知らんがすげーカッコいいと思って高揚したのだが、そうだな、4曲目の途中ぐらいで意識が遠くなって、なんと立ったまま寝てしまった。血は立ったまま眠ってる、なんて寺山修司の詩を思い出す暇もなく。大方、寺山も1978年の初来日ライヴで爆睡したクチだろう。この日をもって、ディラン・ファンを無期限休止することに決めた。同行した友人も前半で寝てたらしい。近年のディランは風貌からして黒魔術師と思しきハットをかぶってるから、きっと催眠術をかけていたのだろう。ライブも後半になって、前列付近の聴衆が身体を上下に激しく揺らし出していたけど、あれはきっと眠気覚ましに違いない。オレは知っている。なぜなら、オレも懸命に揺らしていたからだ。
 なんか隣りで1人「HOOOOOOOOOOOOOHHHH!!!!」とか「YAZOOOOOOOOOOOOO!!!!」とか「WRYYYYYYYYYYYYYY!!!!」とか盛り上がってる男がいて、なんだDIO様も来てたのかと思ったら、単なる中年のオヤジだった。しかも小さめのディランTシャツを着ていて、体型もむっちりしていた。こういう男は必ず「むっちり」だ。興醒めしてしまった。こういう男になったら本当に終わりだ。神の前で寝るというこの上ない無礼を働いた男はそう思った。ディランを愛するのは簡単だが、ディランに愛されるのは難しいぜ。出直します。

Set List(2010/3/21)
 1. Watching The River Flow
 2. Don't Think Twice, It's All Right
 3. I'll Be Your Baby Tonight
 4. Sugar Baby
 5. Tweedle Dee & Tweedle Dum
 6. Shelter From The Storm
 7. Summer Days
 8. Tryin' To Get To Heaven
 9. Cold Irons Bound
 10. Mr. Tambourine Man
 11. Highway 61 Revisited
 12. Not Dark Yet
 13. Thunder On The Mountain
 14. Ballad Of A Thin Man
 15. Like A Rolling Stone
 16. Jolene
 17. All Along The Watchtower