現状を知るにはうってつけだが、やはり蛸壺的。音楽も単なるone of themになったことを寄ってたかって再確認して、いや、そうじゃない!もっと開かれるべきだ!と言い合っているいつものアレ。この5人から教わったことは「紹介」以外何もない。
 しかもその「紹介」の質自体が下がっている。それもある意味致し方なし。個人的に振り返ってみてもこの10年の音楽に愛着は少ない。日本では辛うじて□□□と前野健太ぐらいか(90年代から活躍してたアーティストの名作、というのは他にもあるが)。そもそも2001年、bjorkの『vespertine』を契機に全く「いま」の音楽を聴くことが減った。というのは半分冗談だが、半分ホントだ。音楽にとって「いま」とは何か。きっと最新のリリース情報を追うことではないだろう。いまこれを書きながらlaura nyroの『spread your wings and fly』を聴いているが、これがオレにとっての「いま」であり、これ以外の音楽は存在していないと言える。過去も未来もなく、「いま」だけがある。

ゼロ年代の音楽---壊れた十年

ゼロ年代の音楽---壊れた十年