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ゼロ年代が終わり、各所で総括めいた特集が組まれている。俺もその小さな波にのって、「ゼロ年代映画ベスト」を考えてみた。
【ゼロ年代ベスト】(順不同)
- 『ミリオンダラー・ベイビー』(2004/クリント・イーストウッド)
- 『ドッペルゲンガー』(2002/黒沢清)
- 『長江哀歌』(2006/ジャ・ジャンクー)
- 『アワー・ミュージック』(2004/ジャン=リュック・ゴダール)
- 『ニワトリはハダシだ』(2003/森崎東)
- 『ダージリン急行』(2007/ウェス・アンダーソン)
- 『リミッツ・オブ・コントロール』(2009/ジム・ジャームッシュ)
- 『ヴァンダの部屋』(2000/ペドロ・コスタ)
- 『ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン』(2007/侯孝賢)
- 『×4』(2008/万田邦敏)
が、実は2000年4月にW大学SK学部に通うために上京した俺の映画体験は、すっぽりゼロ年代と重なっている(それまでは熱心に映画を観ていなかった。というか、高校時代に暮らしていた下宿先にはテレビなどなかった)のだから、いっそのことゼロ年代に限らずオールタイム・ベストも思いつくままに考えてみた。
この手の排除/選別の作業によくある「このリストも明日になれば変わるかもしれない」的な逃げゼリフは吐きたくない。早晩変わることのないリストだ。小津もフォードもルノワールも、ムルナウもラングもブレッソンも登場しない、愛した女でも敢えて別れを選ぶという「男の中の男」のリストだ。心して読まれよ。
【オールタイム・ベスト】(順不同/実は12本!)
- 『キートンの探偵学入門』(1924/バスター・キートン)
- 『旅芸人の記録』(1975/テオ・アンゲロプロス)
- 『フォー・エヴァー・モーツァルト』(1996/ジャン=リュック・ゴダール)
- 『奇跡』(1955/カール・ドライヤー)
- 『バルカン超特急』(1938/アルフレッド・ヒッチコック)
- 『暗黒街の顔役』(1932/ハワード・ホークス)
- 『ラヴィド・ボエーム』(1992/アキ・カウリスマキ)
- 『アメリカの友人』(1977/ヴィム・ヴェンダース)
- 『儀式』(1971/大島渚)
- 『アメリカ(階級関係)』(1984/ストローブ=ユイレ)
- 『エドワード・ヤンの恋愛時代』(1994/エドワード・ヤン)
- 『ラヴ・ストリームス』(1983/ジョン・カサヴェテス)