出張のときに、かつ酒を呑まないときには「読書がススムくん」と化して丑三つ時ぐらいまで約7時間ぐらいぶっ続けで読書するのが習慣となっている。永遠の先発組である中上、大江に、去年の秋口ぐらいから谷崎、村上(むろん龍)をローテーションに加えた。まあいろいろ読んでいくうちに、このカルテットも悪くないけどやっぱサムシングが足りないな、なんてホテルの向かいにあるミスター・ドーナッツで買った2つ目のフレンチ・クルーラーにかぶりつきながら考えて、今年から夏目、志賀、内田、樋口、芥川あたりの海外組改め「冥界組」を招集することに決定した。国内組改め「現世組」からは古井由吉を招集する。
 個々には正宗白鳥とかランポとか矢作とか小島とか『神聖喜劇』とか野坂とか『多情多恨』とか『あらくれ』とか大岡とか藤枝とか金井とか『シンセミア』とかいとうせいこうとかチェルフィッチュの岡田とか舞城とか、吉田健一青山真治の小説も読みたいけど、ムージル好きでかつ財閥系の総合商社に20年ぐらい寄生してる玉の輿の権化みたいなヤツが書いた『終の住処』だけはゼッタイ読まないね。スタンスとして。そんな時間あったらムージル読むか、ザッパ聴きながら鼻くそでジオラマ作るわ。