昭和歌謡を愛でる心が、平成社会を爆破したがる心と合致する、という真実を描いた究極の有害映画。村上龍原作。進化することをやめた醜悪な生物をここでは「オバさん」と呼んでいる(というか、彼は『すべての男は消耗品である』の最初の頃に繰り返し力説していた)が、登場する少年たちもその意味では「オバさん」だ。きっとオレもあなたも大差ない。そして、誰も「オバさん」的日常を笑えない。それはみんながそうだからではなく、「オバさん」的日常が時に輝くからだ。