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• 『ファム・ファタール』（2002/ブライアン・デ・パルマ）

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　もう『サイコ』だの『裏窓』だの『間違えられた男』だのと言っても仕方がないぐらい傑作。音楽は坂本龍一。
　1つの作品内でしつこく2回も『めまい』をやった挙げ句に次作の『ブラック・ダリア』（こちらも傑作）で、また『めまい』をやるんだから彼のパラノイアックな幼児性は凄まじい。やりたいことをやる、それが映画だ。だがデ・パルマがヒッチコックの劣化コピーかと言うともちろんそうではなくて、ある種の独自性を獲得している。見ること/見られることの権力関係。視線のエロス。「見る」から「する」への漸進的な移行。そしてその視線の先には遠く『ミッドナイト・クロス』と『スネーク・アイズ』が・・・いや、ひょっとしてコッポラ？