題材の枯渇、という創作者の頭痛の種は、およそ500年以上前から普遍/不変だった。

 『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』より
 私よりさきに生をうけた人々があらゆる有益で必須な主題を自分のものとしてしまとってしまったから、私は非常に有益な、または面白い題材を選ぶことができないのを知っている。それで私は、ちょうど貧乏のために一番あとから市場に到着したが、他に品物をととのえることもできないので、すでに他人のひやかし済みだが余り値打がないために取り上げられず断られた品物すべてを買いとる男のようにふるまうであろう。
 私はさげすまれ断られたこの商品、数多の買手の残りもの、を自分のはかない荷物のうえにのせよう。そしてそれを大都会ではなく、貧しい村々に配り、かつ自分の提供するもの相応のお金をもらいながらあるこう。