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 この映画は、米国におけるギャングの支配や日毎に増している安全や自由の脅威への政府の無関心を告発するために作られた。すべてのエピソードは実際に起こった事件である。我々は政府に対して次のように要求したい。「あなた方はこの状態をどうするつもりなのか」
 政府はあなた方のものだ。あなたならどうしますか?

 冒頭のこの宣言を見れば、この作品が「政治的な」映画に見える。だが、この宣言が溶暗してからルイ・コステロの暗殺までの1シーン1ショットを見れば、ホークスの視線が「政府」に対してだけ向けられたものでないことは明らかだ。デ・パルマの『スカーフェイス』もこの傑作の前では霞んでしまう。大学生のときに観たVHSでは、ラストシーンが2パターン収録されていたが、現行のDVDでは処刑シーンは採用されていない。