最近はね、バッハ聴きながら勉強してますよ。マジで。仕事帰りはちとダルいから、1日3時間ちょいだけど。
 何もかも基礎からやり直さなきゃと思ってね、音楽も。カンタータについては前に書いたとおりであれからも聴いてんだけど、フーガは何て言うかいまいちピンと来ないっていうか、楽理を習得してないせいかその深みはイマイチわからないってのが本音。坂本龍一の『schola』片手に聴いてるんだけど、小沼純一のアホは毎朝西早稲田駅でスレ違ってるし、大学時代の授業もクソつまんなかったし、夕方なんか一回りも年下の女と歩いたりなんかして調子に乗ってるから置いておくとして、坂本、浅田の耳の良さっていうか音楽に対する理解力ってのは、死ぬ思いで楽理を勉強した人間のみが体得できるものだね。坂本は言うまでもないけど、浅田はピアノがプロ級の腕前って聴いたことあるし。到底追いつけない。でも、無伴奏チェロ組曲ってあるじゃないすか。これ、ホントに凄いと思った。久しぶりに。全6曲で、カザルスが再発見したっていうアレね。聴いてみて。

 バッハって言ってもさ、かしこまって勉強するんじゃなくて「やっぱバッハは凄いんだ」ってところから始めて、たとえばグールドが弾いたあの自由奔放なアリアみたいに、フレッシュな形で自分の中に取り込めればいいと思うんだ。っていうのは浅田彰の受け売りなんだけど。しばらく聴こ。

 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/『音と言葉』より
 バッハの音楽は、(19世紀の初期において再発見せられて以来)人々の評価において、最も動揺することの少なかった音楽であります。バッハは今日においても、以前と同じく、他のいかなる作曲家も希求しえない、雲上に位するところの楽聖であります。