珍しく村上龍が小説論を語っている箇所もあり貴重な記録となっている。

 (村上)小説はエッジに立つことだと思うんですけど、エッジに立つことができるというよりも、立たざるを得ないような表現方法だと思う。映画や音楽はもっと規制が強い。映画のハード面の制約とか、音楽だと十二音階やリズムにしばられる。そうではない非常に曖昧なものを使うという中で、ハードの側の制約から自由である。自由であるということは、エッジに立たないと意味はないわけです。