2009-01-01から1年間の記事一覧

『Leadbelly』(編集盤/Leadbelly) [,w200,h200] 殺人者の声は凄い。人生の半分を刑務所で過ごしたこのレッドベリー、高校時代に初めて聴いたときはその声の不気味さに吐きそうになったが、改めて聴くと12弦ギターのテクニックと楽曲の完成度に驚く。それで…

『重力ピエロ』(2009/森淳一) [,w300]

『東西不思議物語』(1982/澁澤龍彦) 澁澤氏が自慢の洋館の中で寝っ転がって鼻クソをほじりながらまるめながら書いた古今東西怪奇物語49編。この怪奇集に「驚き」がないのは、もちろん物語だからである。そして当の本人が、これらの怪奇を信じていないのが…

場末のフィリピンパブに行って元気いっぱいのフィリピンの女の子(実際にはほとんど年上だが)とチークダンスを踊ったりしてると異空間に放り出された感覚で、オレは一体何をしているんだろうと頭が急速に冷えてしまった。それでもマドンナの「Like A Virgin…

『真実はいつもシンプル—すべての男は消耗品である。vol.3』(1992/村上龍) 八戸に来てまで村上龍を読んでいる。彼の1990年代前半は『トパーズ』とキューバの時代である。キューバ音楽にはビートが充ちているが、八戸には何もない。真実はいつもシンプル。…

『世界の終わりと夜明け前』(2008/浅野いにお) 草食系男子必読のマンガだが、肉も草も加工食品も喰らうのが雑食系男子としての僕である。とはいえ、浅野いにおの全作品をブックオフ高田馬場店で購入したので、全て読んでみる。 現在の喪失感や諦念から、何…

今週は恒例の八戸出張である。読めもしないのに7冊も本を持ってきてしまったが、風邪気味で体がダルいので久しぶりにテレビのニュースなんかをぼんやり眺めている。全てのニュースに「だからどうした?」という呪詛の言葉を呟くと何もかもどうでもよくなって…

『ストーカー』(1979/アンドレイ・タルコフスキー) 『ローラーとバイオリン』(1960/アンドレイ・タルコフスキー) [,w300] [,w300]

『Stand!』(1969/Sly & The Family Stone) [,w200,h200] 男子たるものスライを聴いてお唄が上手とほざいていない者はいないはずである。21世紀の耳で聴けば彼らのファンクネスも軽く感じられるが、その場合は独特の浮遊感に身を任せればよろしい。さすれば…

『ザ・ワールド・イズ・マイン』(2001/新井英樹) 広辞苑のようにブ厚いこの5冊の書物が「マンガ」という表現形式を持ったのは幸運だった。「マンガである」という二義的なメッセージによって、少しだけ気軽に読めた。これが小説や映画だったら、気が滅入っ…

『存在の耐えがたきサルサ』(1999/村上龍) 珍しく村上龍が小説論を語っている箇所もあり貴重な記録となっている。 (村上)小説はエッジに立つことだと思うんですけど、エッジに立つことができるというよりも、立たざるを得ないような表現方法だと思う。映…

国内最大の弊監査法人はゴミみたいな組織だが、毎年台風が接近するたびに「各人の判断を尊重して遅刻・早退・あるいは休暇を認める」と掲示される。監査には常にプロフェッショナル・ジャッジメントが求められている。 明日は地下鉄銀座線が浸水する可能性が…

現在4巻へ突入。

『Halfway To A Threeway』(1999/Jim O'rourke) [,w200,h200] ジム・オルークの活動は広範囲に及んでいて追い切れない。最初に聴いたこのシングルは不思議と何かを感じた。名盤だと思う。「21世紀の音楽家は単なるオタクである」という、身も蓋もない事実…

約2ヶ月ぶりに残業した。22時まで空調の切れた事務所(経費削減!)にいると頭がボーッとしてきて、眼から血が出るかと思った。

F1が好きでよく見ている。今日の鈴鹿も当然チェックした。セバスチャン・ベッテルは、皇帝の後継者に相応しい才能と走りを見せてくれた。 このモーター・スポーツは全てが無駄で出来ていて、全てが贅沢である。そして、贅沢をさせたらヨーロッパには敵わない…

『恋の秋』(1998/エリック・ロメール) 『冬物語』(1991/エリック・ロメール) [,w300] [,w300] 映画において、奇跡は日常的に起きるのではない。文字通り、奇跡は「奇跡的」に起きるのである。

『リミッツ・オブ・コントロール』(2009/ジム・ジャームッシュ) [,w300]

『コインロッカー・ベイビーズ』(1980/村上龍) 十七年前、コインロッカーの暑さと息苦しさに抗して爆発的に泣き出した赤ん坊の自分、その自分を支えていたもの、その時の自分に呼びかけていたものが徐々に姿を現わし始めた。どんな声に支えられて蘇生した…

『黄色いリボン』(1949/ジョン・フォード) [,w300]

『Solo〜Famous Melodies〜』(2007/渋谷毅) [,w200,h177] 「Danny Boy」や「Just A Gigolo」などの有名曲を演奏している渋谷毅のソロ・ピアノ曲集。「PIT-INN」で見かけたのはただの老年オヤジだった。街角でも誰も気づかないだろう。そもそも有名な人では…

『すべての男は消耗品である。vol.2』(1990/村上龍) 再読。彼の圧倒的な体力と自分の欲望のためなら人を殺すかもしれないほどの行動力は、羨ましさを越えてもはや別次元である。ユーモアと嫌悪とF1に満ちた1990年前後の記憶。オレたち若いオスが「重いもの…

『ブルーズの世界』(1995/三井徹編) ささやかながら『ブルーズの世界』というマイナー本で、19世紀以降のブルースの変遷を学んだ。砂漠でさらに砂を噛み続けて頭がおかしくなりそうな苦いブルースを聴きたい。ブルーズの世界 (Music companion)作者: 三井…

高校時代の友人の結婚式に出席した。2次会の幹事も頼まれるほどの仲の良い友人なのだが、久しぶりに仲間5人で集まってみると会話がほとんどない。会話がないのはどういうことかと考えてみた。 まず、共有している時間が少なく、共通の趣味があるわけではない…

自分自身を頼りにする気持ち。ロバート・B・パーカーは自立をそう説明している。人生相談や星占いが蔓延している世界では、簡単なことではない。

『グラン・トリノ』(2008/クリント・イーストウッド) 『マディソン郡の橋』(1995/クリント・イーストウッド) [,w300] [,w300]

『メロディ(Melody)』(1985/サザンオールスターズ) この23枚目のシングルが最高傑作だと思っている。「今宵、雨のSeptember。君に乗る純情な夜がとぎれてく」と、恋の終わりを予感させる作品だ。桑田にとって"恋=夏"なのだから、恋の終わりがすなわち夏…

銀週間だというのにどこにも行かないのは背徳だと思い、江ノ電1日乗車券を購入して江ノ島周辺を探索した。七里ケ浜に「bills」という海岸を一望できるレストランがある。お薦めしたいが、4時間待ちという絶望的な混み具合なので予約が必要だ。 船にも乗った…

『宇宙からの歌、宇宙への音』(2007/V.A.) 「宇宙っぽい」という形容詞が最も多く使われてきた芸術形式は、間違いなく音楽だろう。70年代ドイツ音楽やPファンク、果てはアンビエント・ミュージックからビートルズまで「宇宙っぽい」というテイストで一括り…

村上龍がNYタイムスに寄稿したエッセイで、政権交代を果たした日本について「私たちはただ、子供が大人になっていくときの憂鬱さを経験しているだけなのだ」と書いている。 民主党政権になったからといって、税収が劇的に増えるわけではない。その場合、政策…